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ROCKMAN X100 [楽器・機材紹介]

久しぶりの機材紹介は、押し入れから引っ張り出した秘密兵器、S R&DのROCKMAN X100です。

ROCKMAN X100これは、エレキ・ギター用のヘッドフォン・アンプです。ギターとヘッドフォンをつないで演奏する機材で、名前の通りウォークマンみたいなものです。もちろん、自分の弾いてるギターを聴くだけで音楽は聴けませんが、、、。

これは、1stアルバム2ndアルバムとメインのギター・アンプとして大活躍しました。

当時(80年代後半)はアンプ・シミュレーターなどはなく、満足にアンプから音を出すことができないアパート住まいだった環境で録音することは至難の業でした。ライン録りするしかないのですが、ペダル・エフェクターなどからミキサーに直結しても、全然、エレキの音にはなりません。録音機材用のマルチ・エフェクター等を使ってなんとかごまかしてましたが、クリーン・サウンドはともかく、アンプで歪ませたような音は録ることはできませんでした。

そろそろ、オリジナル・アルバムを作りたいと思っていたところに現れた救世主がこのROCKMANでした。ちょっと無理やりですが、ヘッドフォン用のアウトプットをミキサーにつなぐと、かなりそれなりの音になるのです。ヘッドフォン用に音が作られているとは言え、当時はなかったアンプ・シミュレーターには違いなく、これで歪んだギターを録ることが可能になりました。ちなみに、最近のデジタルのアンプ・シミュレーターと違って、中身はすべてアナログ回路で、単3電池8個で動きます。

で、このROCKMANは、BOSTONと言うバンドのギタリスト、トム・ショルツが開発して彼の会社から販売されていました。社名の"S R&D"は"ショルツ研究所"の略です。ケースにも彼のサインが印刷されています。当時も今も自分の憧れのトム・ショルツの音が手に入れられると言うのも涙ものでした。

操作はいたってシンプル。電源のON/OFFのスイッチ。ボリュームは3段階。ECHOとCHORUSはどちらかを切れますが、両方は切れません。音色は、クリーンが2つに歪みが2つです。
ECHOとCHORUSが音色の胆のようです。BOSTONサウンドの要であるとともに、これでマイク録りの雰囲気を出しているようです。
ROCKMAN X100 PANEL

で、音色は聴いた方が手っ取り早いってことで、それっぽいデモ曲を作ってみました。今回はROCKMANからミキサーにステレオでつないで録音し、音色はいじらず、そのままミックスしました。8小節毎に上記の4つの音が重なっていきます。出てくる順番に簡単に音色の説明です。ギターはフライングVです。

CLN2
ギター・アンプでは出せないハイファイなクリーン・サウンドです。とても綺麗な音です。今回はアルペジオの演奏です。

CLN1
ギター・アンプを通したような少し歪みっぽくてトレブリーなクリーン・トーンです。コード・カッティングの演奏です。

EDGE
バッキング向きのオーバードライブ・サウンド。まさにBOSTONの音ですが、ちょっとこもり気味です。8ビートのダウンストロークの演奏です。

DIST
強烈にミッドブーストとしたマーシャル系の歪み。これもBOSTONのリード・ギターの音。ノイズが少ないのも録音にはありがたいです。優秀な回路なんでしょうね。BOSTONっぽく低音弦の単音のメロディーの演奏です。このパートだけ、少し残響を足してミックスしました。

すべて、ECHOとCHORUS共にオンのノーマル・モードです。
では、どうぞ! (次回に続く予定、、、)

、、、と記事を書いていたら、なんとBOSTON、35年ぶりの来日公演発表!凄い偶然。

(製作:2014年4月)

Copyright 2014 Katsumi Ochiai


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コメント 6

Joe

おお、まさにボストン・サウンド!
一瞬DVDの箱?とか思いましたけど(^_^;)、ヘッドフォン・アンプでしたか。
ステレオアウトも可能!? 確かにこのクオリティならアンプシミュと言えますね。さすがトム・シュルツ。
これ、もしかしてトーンコントロールもDIST音のゲイン調整も無しですか? となるとホントにピンポイントでボストン・サウンドに特化したモノですよね。
それって自分の作った音に対するトム・シュルツの自信の表れでしょうか(笑)。
by Joe (2014-04-19 12:16) 

ok-rock

>Joeさん
DVDの箱というより弁当箱みたいです(笑)
ステレオアウトは、単にヘッドフォン用のミニプラグを二股に分岐してミキサーにつないでいるだけです。接触悪いし音量も合わないし、ちょっと無理やりです。間違ってマイク入力に入れるとミキサー危険です(笑)
音の調整はまったくできないんですよ。裏にゲインの調整はあるのですが、ドライバーなどでしか回せません。意地でも調整させない意気込みが感じられます(笑)
でも、本当にBOSTONサウンドです。この音しかないってことなんでしょうね。
by ok-rock (2014-04-19 19:34) 

rimix

これまた懐かしいお話ですね。
わかりますわかります。
クリーンサウンドは良いのですが、歪を加えると潰れたような音になってしまい、ライン録りは「難しい時代でしたよね。
ダイレクトBOXの進化版でしょうか?

サウンド紹介、Don't Look Backを連想しました。
これを使えば、BOSTONコピーも楽ですね。
これで、コピーしたら瓜二つ?
次回が楽しみです。
by rimix (2014-04-19 21:06) 

ok-rock

>rimixさん
rimixさんも経験されてましたか。当時はただ単にギターの音を録音するだけでも一苦労でしたね。
Don't Look Back、、、まさにそのイメージで作りました。さすがですね。今週は、これを元に曲を作ってますが、かなりイメージが違ってきました。
ROCKMANはまさにBOSTONの音ですが、実際のBOSTONの曲は、1曲の中でもとても多彩な音色が使われてます。音質の調整ができないので、これだけではちょっと無理です。
やっぱりBOSTONは唯一無二。真似できません(T_T)
by ok-rock (2014-04-19 22:22) 

ひょい。

良いデモですね。
段々、音が重なってくると、心も躍りそうです。
またこのヘッドフォンアンプ・・・面白い機材ですね。
写真のスイッチ類も、ああ!これ時代物だと思わせる感じですね。特にスライドスイッチにギザギザ付いてるし・・・
こういうスイッチ昔あったと懐かしく思いました。
by ひょい。 (2014-04-21 21:32) 

ok-rock

>ひょい。さん
コメントありがとうございます。
デモは、もともと曲に仕上げようと思ってたので、ある程度、練って作ってみました。
この機材を買ったのは、25、6年前ですが、当時でもこのスイッチは時代錯誤でした。まあ、音で勝負なのでしょうけど、もうちょっと何とかならなかってんでしょうかね。
by ok-rock (2014-04-21 23:15) 

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