メロディーが浮かぶ時:テーマ編 [雑感]
作曲から始めるにせよ、作詞から始めるにせよ、作り始める時には何かしらのテーマがあります。それは、とても抽象的なことで「思い」のようなものです。何かしらの感情を曲で表現したいと言う「思い」です。自分自身のことであれ見聞きしたことであれ、生きていれば何かしら心が動かされることがあり、その「思い」をメロディーとして形にすることが作曲だと思います。
ただし、悲しいことがあったから悲しい曲を作ると言う単純なものではありません。自分自身の悲しい事でも他者からの観点で切り出せば勇気づける明るい曲になるかもしれません。感情と言う不確かで揺れ動くものを切り出すので、感受性があればいろいろな側面から見ることができます。
文章に例えると分かりやすいと思います。単純に切り出せば日記のように表現の幅が狭いものになりますし、そこに独自の考えを入れればエッセーに膨らみます。さらに想像力を働かせれば小説にもなるでしょう。このように、単純な感情が複雑な思いへ成長していくと作品のテーマとして固まってきます。
さらにそのテーマを頭の中でメロディーや詞のイメージへ変換していくわけですが、この変換作業が最も難しいと思います。頭の中の感情はとても複雑ですし刻々と変化していきます。とても多種多様で膨大です。それに対して、頭の中にストックされているメロディーや詞のアイデアは有限です。これまでに聴いてきた膨大な曲からほんの一部が知識として自分の頭の中にストックされているにすぎません。
テーマに対して当てはまるストックがないと形にならないので、何年も作曲をやっていてもいつも苦労します。自分の頭の中にあるストックの少なさを痛感します。ストックを増やすには、とにかく、たくさんの曲を真剣に聴くしかないですね。作曲に限りませんが創造的な作業は、そういうものだとは思います。
余談ですが、感情とメロディー・詩の膨大な対比表があれば曲が作れてしまうとも言えます。人間が習得するのは何年もかかりますが、コンピューターが発達して、過去の膨大な作品を入力すれば意外と簡単にAIが作ってしまうのかもしれません。ちょっと恐ろしいですね。
過去の作品をデータとして取り込めばAIが楽曲を作ってしまう、、、もしかするともうそれはSFではなく、現実的にすぐそばまでやって来ているのかもしれませんね。
でもやっぱり歌は人間に作って欲しいなあ(@_@;)
by saia (2018-05-18 18:10)
>saiaさん
コメントありがとうございます。
今や作曲はPCとアプリでほとんど出来てしまうデジタルの世界なので、AIが席巻するのはもうすぐかもしれませんね。
でも、大量に消費される曲はAIが作るにせよ、新しいジャンルを切り開くのは将来も人間だと思います。
by ok-rock (2018-05-19 11:09)