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宅録史10:プロ並みの品質を目指せ [連載読み物]

自宅録音の黎明期を語る自分史の続きです。

 前回のお話はこちら → 宅録史9:1stアルバムを作れ
 1回目のお話はこちら → 宅録史:序章

8トラックMTRを加えた新たな作曲環境が整い、その後、1年弱をかけてオリジナル・アルバム用の打ち込みと録音が終わりました。これを当時の主流であったカセット・テープとして配ろうと考えていました。しかし、当時のアマチュアが作るオリジナル・テープはどれも音がしょぼく、プロのCDとはレベルの差がありました。自分が配布するテープは、もう少し何とかならないかと考えました。今までは完全に自己満足で曲を作ってましたが、この辺りから他人に聞いてもらう作品としてのクオリティーに意識が向いてきたのです。

雑誌などを参考にしてプロのCDの音作りを研究して、良い音にするための肝は「空間処理」と「音圧」だと分かりました。まず、「空間処理」は各楽器の配置が感じられるかです。左右は二つのスピーカー間で簡単に位置を決められますが、奥行きは残響や音質など複数の要素が絡みます。各楽器で奥行きを変えるためには、ミックスダウン時に複数のエフェクターが必要だと気が付きました。

そこで残響を得るエフェクター(リバーブやディレイ)を買い足すことにしました。すでにギターの録音時の音作りにはマルエフェクターのRoland DEP-5とYAMAHA SPX-90Ⅱを購入してました。ミックスダウン時にもこれらを使うと共に、安いマルチエフェクター(BOSS SE-50)をさらに2台買うことにしました。

次は「音圧」です。CDとカセットテープのクオリティーの差は埋めようがありません。しかし、プロのCDをカセットへダビングしても「音圧」があり、元の音が違うのが分かります。あれこれと調べ悩んだ末に、ミックスダウン後にさらにマスタリングという作業があり、そこでリミッターを使って音量を圧縮する事だと分かりました。

しかし、当時は現在のようにPCのアプリでプロとアマチュアが同じ機材を使える時代ではなく、マスタリング用のリミッターは非常に高価なアナログ機器でした。同じ機材を揃えるのは不可能でした。そこで、いつものようにある物で済ませる方法を考えました。それはアナログ・テープ(VHSビデオのHiFi音声トラック)にミックスダウンすることでした。それもレベルメーターが振り切れるぐらいのオーバー・レベルで録音することで音を圧縮したのでした。歪まないようにするには録音レベルの調整が大変でしたが、自然な音色に仕上がりました。

その後にデジタルテープ(DAT)へダビングしてマスターテープが完成、そこからさらにカセットテープへのダビングを量産しました。

宅録史_10

これで、自身初のオリジナル・アルバムが完成しました(こちら)。結果は上々だと思いました。

 今回の機材:BOSS SE-50 ×2

 今回の教訓:クオリティーを上げるためには機材も必要だが知恵もいる。

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rimix

ご無沙汰しております。

音圧を稼ぐため、VTRを使ったのは凄い思い付きでしたね。
自動でリミッターが掛かるし。。。
DATをお持ちだったんですね?競ったのはMDでしたっけ?懐かしいです。
by rimix (2020-10-31 17:10) 

ok-rock

> rimixさん
こちらこそご無沙汰してます。
VTRは苦難の策でした。今のように何でもある時代ではなかったですね。
カセットの時代でDATは夢のような高音質でしたね。すぐにPCにとって代わってしまいましたが。
by ok-rock (2020-11-01 14:24) 

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