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宅録史13:2ndアルバムを作れ [連載読み物]

自宅録音の黎明期を語る自分史の続きです。

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何とかシーケンス・ソフトのVisionを使いこなせるようになり、早くもセカンド・アルバムの製作を考えました。前作で自信をつけたので、どうせ曲を作るのなら、どんどん発表しようと考えたのでした。

前作は、なるべく多くの人に理解してもらおうと思ったので、自分としては曲調がちょっとおとなしめでした。そこで、次作はハードなギターを入れた曲調にしようと思いました。Visionを手に入れて、ハードなギターに合うバンド的な(人間的な)ドラムも打ち込めるかと思ったのも理由です。そこで、さっそく2曲作りましたが、すぐに挫折しました、、、。

8TrMTRによる作業効率アップと同様に、MIDIの打ち込みの効率アップを考えて導入したVisionでしたが、結果は、打ち込みが独走してしまいました。Visionを使うことによって、今まで出来なかったような複雑なアレンジがあっと言う間に出来るようになりました。その反面、MTRの録音は融通が利きません。当たり前ですが、録音してしまってからアレンジを変えようとしたら、また録音し直さなければなりません。

実際にこの時に製作した2曲は、複雑な変拍子の曲と、オーケストラのように多くのギターが重なった曲でした。Visionで作った複雑なアレンジにMTR側の録音パートがついていけなくなりました。

もう一つ問題なのは、シンセ(MIDI音源)のクオリティーです。録音機材にお金がかかるのでシンセ類までは手が回りません。ありあわせのシンセ(U-220VZ-1)では、前作と同じような音になってしまいますし、また、どんなに凝って人間的なリズムを打ち込んでもドラムやベースの音色がしょぼくてリアルには程遠かったのです。

宅録史_13

録音にしても音色にしても、作業の効率と音のクオリティーを上げるためにはアナログからデジタルへ移行するしかありませんでした。今でこそ、音声(オーディオデーター)をデジタルで録音したり複雑な編集をすることはPC内のアプリで簡単に出来ます。しかし、当時は、まだそのような機能は実現されてませんでした。

ただし、録音と簡単な切り貼り程度が出来る単体の機材が出始めてました。それはハード・ディスク・レコーダー(HDR)と言う機材ですが、まだ100万円は下らない時代でした。デジタルへの移行は避けられないと思いつつ、またしても値段が下がるのを待つしかない状態で、2ndアルバムの製作は中断を余儀なくされました。

 今回の教訓:機材はバランスが重要

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lequiche

宅録史、大変面白いです。
毎回楽しみにしております。(^^)
by lequiche (2021-03-14 00:30) 

ok-rock

> lequicheさん
コメントありがとうございます。
まだ、続きますので今後もよろしくお願いします!
by ok-rock (2021-03-14 09:47) 

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