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宅録史2:ドラムの法則をさがせ [連載読み物]

自宅録音の黎明期を語る自分史の続きです。

 前回のお話はこちら → 宅録史1:家であるもので曲を録音しろ
 1回目のお話はこちら → 宅録史:序章

ギターを重ねて作曲をすることはすぐに壁に突き当たりました。なぜかと言うと、はやりロックやポップスが作りたいのでドラムがないと形になりません。雑誌でドラムの音が出せてプログラミング(打ち込み)すれば自動演奏してくれるドラムマシンと言うものがある事を知りましたが、まだ何十万円もした時代。自分には関係ないものと思ってました。ところが、KORGから4万ぐらいで新製品が出ました。ろくに調べもせずに、新宿のイシバシ楽器まで買いに行きました。これが録音機材の第1号です。

宅録史_02

当時もリズム・ボックスと言う物(チャカポコと電子音が鳴る)はあったので、訳が分からないながらも、ドラムマシンは「本物のドラムの音がなるリズム・ボックス」であろう事は想像できました。しかし、家に着いて鳴らしてみると、、、やっぱり値段相当でした。レコードで聞けるドラムの音とは異なりとてもショボイ音でした。そして、16分音符より細かい音を入れられない、音量が一定で強弱がつけられない、10個しかタイコの種類がない、当然MIDIなんかない、と言う機材で、今なら、「これでどうやって曲を作るの?」と言った機材でした。

しかし、もっと問題だったのは自分がドラムのことを知らなかったのです。当時は、バンドをやったこともなく、本物のドラムの音を聞いた事はおろか、見たこともなかったのです。プロのライブでは見てますが、武道館のような大きな会場が多かったので詳細は分かりません。「バスドラって何?、スネア? ハイハット? タム?」と言う状態でした。

そこで、片っ端からレコードを聴いて、とにかく「どの音がどこで使われるのか?」と言う法則を探りました。そして、自分のドラムマシンの音色を曲のどこで使えば良いかを把握していきました。レコードでは聞こえるけど自分のドラムマシンにはない音というのも一杯ありましたが、それはどれを代用すれば良いかを考えていきました。そして、苦節数ヶ月、単純な8ビートですがドラム・パターンと言うものを習得しました。

その後、本物のドラムを叩いているのを体験するのは4年も後です。その時、自分がやってきたドラムパターンが間違っていなかった事と、本当に人間が叩けるのだと言うことに感動しました。

 今回の機材:KORG DDM-110

 今回の一言:音楽は耳で聞いて覚えれば間違うことはない

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