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アリアプロⅡ ST-600D (ジェフベックモデル)その2 [楽器・機材紹介]

自分のメインギターのストラト。すでに、このブログでも紹介済みですが詳細編です。今も昔も楽器に疎いのでストラトを買いに行って値段で決めて以来、このギターの詳細は知らないままでした。33年もたって今さらですが、最近、ちょっと調べたので自分の記録のために記しておきます。

 以前の紹介記事は → こちら

 また、22フレットへの改造記事は → こちら

ST-600D 1 View
以前紹介したように、このギターは1982年購入のアリアプロⅡ製で、ジェフ・ベックが70年代後半から80年代初期に使っていたギターのコピーです。まずは、大元のジェフ・ベックのギターの話から。

彼のギターは、フェンダーの50年代のアッシュ・ボディに60年代初期のメイプル&ローズウッド指板のネック、それにシェクターの電気パーツを組み合わた物のようです。シェクターの"N500"ピックアップを始め、黒いピックガードとそれに搭載されているパーツはシェクターが組み換え用に販売していたセットのようです。アリアプロⅡ製のコピーは外見はほぼそっくりですが、ボディーの材質や電気回路など見えない個所は差異があります。


では、前回紹介しなかった詳細を写真と共に紹介します。

まずは、ネックの表裏。メイプルのワン・ピース・ネックです。クリア塗装はすべてはがしてメイプルの素地にオイルをしみこませてます。ナットはナイロン(安物!)。ペグはオリジナルのままのオールドフェンダー風です。ストリング・ガイドを1個追加してます。
ST-600D 2 Head

ST-600D 3 Head back 

ボディーのピックガードの下。ピックアップの廻りの削り跡は、ハムバッカーのピックアップを入れた時の跡。また、バッファー・アンプと電池を収納するために、写真上側(スポンジが敷いてある箇所)も大きくザグリを入れてます。穴だらけですね。
ST-600D 4 Body

電池収納部。これだけの穴をあけるのはかなり大変でした。結果、ホローボディー風になってます。新品の当時は高域のきつい下品な音だったのですが、その後、甘い音色になったのはこの改造のせいかもしれません?
ST-600D 5 Body hole 1

ブリッジ側のアップ。木目から、1弦側で2枚の板を張り合わせているのが分かります。今回、当時の記事等をネット見ると「アルダー単坂」の記載もありましたが、やはり単坂ではないですね。しかし、綺麗に木目が出ています。全塗装のギターにこの木目は今ではとても贅沢。実売数万円の安物のギターに、この木材とは良い時代だったのかもしれません。
ST-600D 6 Body hole 2

ピッグガードの裏。配線はとても複雑。電池の横の黒く包まれたのがバッファー・アンプ。ピックアップから出てるものを除いて、すべての配線は太いものに入れ替えてます。
ST-600D 7 Pick guard back

フロント・ピックアップ。ピックアップは3つとも同じです。
ST-600D 8 Pick-up

カバーを外した様子。カバーの裏に「DIMARZIO U.S.A.」の刻印。カタログによるとディマジオFS-1です。このギターで唯一のブランド品。ジェフ・ベック・モデルになぜこのピックアップなのかは不明です。
ST-600D 9 Pick-up & cover

カバーを外した中身。汚れているのは、ポールピースから出た錆汁?
ST-600D 10 Pick-up inside

ボディーの裏側。丸いシールはHelloweenの"Keeper of The Seven Locks"。スプリング・カバーは外したままです。
ST-600D 11 Body back

トレモロ用の3本スプリングの下は雑音(共振)防止用のスポンジ。スプリングはかなり強いタイプです。さらにビスを締めこんでブリッジを強くボディーに接地させてます。弾き心地が好みではないので、トレモロ・ユニットのフローティングはしてません。
ST-600D 12 Tremolo spring

ネックとボディーのジョイント部。以前紹介したように、1か所ボルトを移動してボディーをカットしてます。左下、ネックに見える丸く埋めた跡が元のボルト穴です。
ST-600D 13 Neck joint


ちょっと話が長くなりますが、ジェフ・ベック・モデルの特徴である3連のピックアップ切り替えスイッチについてです。

特徴的な3連のトグル・スイッチのピックアップ切り替えですが、その回路はかなり複雑で諸説あります。ネック側から、フロントとセンターの直結(ハムバッキング接続)のON/OFF、フロント/OFF/センターの切り替え、リアのON/OFF/逆相(フェイズアウト)と言う説が有力。この場合、フロントかリアとハムバッキング接続とするために、センター・ピックアップは逆相(磁石の極性が上下逆で配線もプラスマイナス逆)のはずです。

で、アリアプロⅡ製の自分のギターですが、3連スイッチの配線は上記とは異なりました。それぞれ3つのピックアップを独立してON/OFF/逆相する単純なものでした。当時は、今と違ってネット等もなく、メーカーと言えどもジェフ・ベックさんのギターの配線を調べる術はなかったのかもしれません。そこで推測で単純な配線にしたと思われます。でも、これでは演奏中にピックアップを切り替えることが困難です(シェクターのオリジナル配線もコツがいりそうですが)。

で、自分なりに考えに考えて配線を改造したのが今のもの(詳細は前回の記事を見てください)。偶然にもシェクターのオリジナルに近い配線になっているのに今回初めて気が付き、とてもビックリしました。ただ、自分の場合、センター・ピックアップの高さを下げているので、ハムバッカーというより、ノイズキャンセラーに近い使い方です。ちなみに、センター・ピックアップの逆相ですが、ポール・ピースを叩き抜いて逆さまにして入れ直しました。

ということで、安物のギターのお話におつきあい下さりありがとうございました!

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コメント 2

rimix

ボディーがこんなにザグられていたんですね。
独特のサウンドはこの辺にありそうですね。

あの頃のボディー材は良い木を使ってましたよね。
もう少し経つとバスウッドを使い始めて、同じランクでも今のは、良い木を使えないと思いますよ。

アームアップ出来ない設定なんですか?
サウンドにも影響してそうですね。

すごい沢山アイディアの詰まったギターなんですね~
愛着も半端ないですね。
by rimix (2015-03-14 20:31) 

ok-rock

>rimixさん
特に計画もなく、長年、少しづつ手を加えてきたら、こんなになってしまいました。結果、弾きやすいし音も良いので良かったとは思います。
この値段で最近だと集成材に近い作りのようですから、やっぱりキツイ音になってしまうでしょうね。
アームですが、フローティングしてなくてもボディーの固定用のネジのガタ分は僅かにアップできますよ。力技になりますけど。なので、アームを使うときはがっしりと掴んで力を入れて動かしてます。前回のThe Lonerの時のアームによるビブラートは大変でした(笑)
by ok-rock (2015-03-14 22:55) 

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