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作曲の参考書 "実践コード・ワーク" 篠田 元一著、、、 [雑感]

以前、作曲を学んだ本として「音楽の基礎」芥川 也寸志著を紹介しました。今回は、その後に買ったコード理論の参考書を紹介します。

実践コード・ワーク

作曲を始めた時に「音楽の基礎」に出合えたことは幸運でした。その後は、クラシック(管弦楽やピアノなど)の譜面とCDの演奏で「音楽の基礎」で学んだことの知識を独学で広げていきました。自分が作るポップスやロックでは、それでなんとかなってました。しかし、作曲経験が10年を過ぎた頃に壁に当たりました。コード進行が似たような曲ばかりになってきたのです。「音楽の基礎」では歯が立たなくなり、その後に買った唯一の参考書が本書です。

作曲を始めた方は、大抵、コード進行に悩むと思います。コード進行とメロディーを別々に作ることは比較的簡単ですが両者を合体するのは難しい。不協和音になった場合、メロディーを直すかコードを直すか、直しているうちに結局いつものパターンになってしまいます。そこで、コードの理論を身に着けていれば両者を満足する新しいハーモニーをつけることも可能になります。また、理論が分かりコード進行の引き出しが増えれば、メロディーを生かすために多彩なコード進行を考えることができます。

前置きが長くなりましたが、そんな時に購入したのがこの「実践コード・ワーク」です。本書はキーボードマガジンの連載を題材にした本で、大きく分けて理論編とアレンジ編があり、それぞれ大幅改訂を2回しています。

自分は1994年に初版版のアレンジ編、1997年に改訂版の理論編「ボイシングとプログレッション」を購入しました。先に、応用であるアレンジ版を買って挫折してしまい、後で理論編を買ってから2冊とも読破しました。ちなみに当時はCDなどもついてないので、譜例に照らし合わせて自分で音を出さないと実際の響きは確認できませんでした。

理論編は、ポップス、ロックであれば完全に網羅する内容で、その先の高度な物も含まれます。譜例は実際に音を出すと理論が理解できるようにシンプルに書かれている反面、そのままでは曲にならない面もあります。逆に、アレンジ編はストリングスやブラスでの実際のアレンジの譜例となっています。両者を読むと理論と実践が身に付くと思います。

難点はキーボート向けに書かれていることです。ギターだと、どうしても押さえられないコードがたくさんあります。シンセで音を確認することもありましたが、何とかギターで弾こうとしているうちに、その後のアレンジへの応用力が付いた気がします。

最近のお手軽なHow-To本と比べるととても難解でボリュームも多いですが、無理して読破して正解だったと思います。確かにコードの理論は難解ですが、分かってくると意外と理屈は少ないことに気が付きます。どんな複雑なコード進行も基本系の変形であることが読み取れるようになりました。その後、既存の曲は、譜面と照らし合わせながらギターで音を確認すればコード進行を特定することができるようになりましたし、オリジナル曲のアレンジの際にコードをつけるのに悩むこともなくなりました。

作曲の初心者を脱出しようと考えてる方は読む価値がある本だと思います。ただし、現在、この本の最新版の入手は難しいようです、、、。


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