"降りしきる雨の中"製作メモ [ボーカロイド曲：制作中]
先週アップしたオリジナル曲の"降りしきる雨の中"の製作メモです。自分の備忘録を兼ねてつらつらと書いてみます。今回は、久しぶりにサンプリングやシンセサイザーをたくさん使ったエレクトリックなアレンジとしたので、そのあたりのやり方を書いてみます。
今回は、始めにピアノのソロとしてメロディーを書きました。前作の"花は咲く"のカバーが大作だったこともあり、ちょっと製作をお休みしようと思いましたが、震災のことなど思うこともあり、気持ちをメロディーに書き出しておこうと思いました。この時から歌物のイメージがありましたが、アレンジは白紙で、その後、徐々にイメージを膨らませていきました。
ドラムなどのリズムは打ち込みのシンセではなくサンプル・ループです。すでにドラムパターンとなっているオーディオ・データーをPC上でコピペして繰り返しで使います。打ち込みのように一音一音組み立てるのではないので細かなことは出来ませんが、今回のように打ち込みでは難しい生きたノリを出すことができます。
オーディオ・データーは販売されている既存の物を使いますが、曲のイメージに合わせて16分音符の長さに切り刻んで並べ替えるなどのエディットします。同時に鳴っている音は分離できないので打ち込みとは異なる技が必要です。今回はイメージに近いデーターがあったのであまりエディットはしませんでした。メインのループは4小節繰り返しで、一部、1小節繰り返しのループを重ねてます。
ベースはシンセのRoland XV-3080でシンセ・ベースの音色です。この手の音の常套手段ですが、あえて強弱をつけずに音の長さ（切り方）でそれぽいノリを作ります。あと、カットオフ・フリクエンシーを打ち込んで、ウネウネと生きたノリにします。そして、以前紹介した激しく歪んだギターを録音してベーシックトラックが完成です。
ベーシックトラック、リズムが入ってからの１コーラスの抜粋です。今回の曲では脇役のギターですが、実際には曲のノリを決める重要なパートを担っているのが分かると思います。
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後は、たくさんシンセを打ち込んでいきます。鍵盤を弾いて打ち込むだけでなく、シーケンス・アプリのアルペジエーターも使ってエレクトリックなノリを出します。音色は、キラキラしたものやピコピコしたものなど、1音を伸ばしただけでも変化があるのを選ぶのがそれっぽいですね。弦楽器などをリアルに打ち込むのと違って打ち込みはとても簡単ですが、ある意味、何でもありなので、センスが重要かもしれません。
以上のトラックの構成です。
ドラム・サンプルループ ： 2トラック
シンセサイザー Roland XV-3080 ： 9トラック
シンセサイザー Casio VZ-1 ： 2トラック
サンプル（効果音） ： 4トラック
ボーカロイド ： 4トラック
と言うことで、この手の音は大好きなので、また作りたいです。では！
（製作期間 ： 2016年3月～4月）
Copyright 2016 Katsumi Ochiai
う～～～ん、色々な工夫と技術と機器を駆使しながら、曲を仕上げて行かれたのですね！
確かに何でもありとなれば後はセンスが、勝負、といった感じでやりがいがありますね。
震災のこともあり… とのこと、私も詩の内容から、直ぐにそれを考えました。
災害に見舞われた方々に、悲しみからいつか希望を見い出せる日が必ず来ることを信じてほしい、というメッセージが込められているのではないかと感じていました。
それにしても先週から日常生活の中で、ふと気がつくと「降りしきる雨の中を走る～君は遥か遠くをめざす～♪」と鼻歌で歌っていて、我ながらビックリしています！
覚えやすいメロディにリズムが印象的で、記憶に残る歌だと思います( ｀▽´)ノ
by saia (2016-05-01 21:27)
>saiaさん
コメントありがとうございます。
既存の楽器をシンセでやっても本物には勝てませんけど、この手のアレンジだとシンセ本来の音で自由にできるので楽しいです。
このメロディーを書き出したのは3月13日で、歌詞を書き始めたのは、その次の週でした。やはり5年たった震災の報道等から思うことが多くありました。
心が大きく動かされた時は、それをメロディーに残しておきたいと思ってやってます。震災そのものを歌ってはいませんが、saiaさんの書かれたように、元となる思いはそこから始まってます。
それから、メロディー、歌詞を覚えていただいてありがとうございます。他の人に覚えてもらえるなんて作って良かったです！
by ok-rock (2016-05-01 23:04)