APHEX "AURAL EXCITER TYPE C" [楽器・機材紹介]
先週のアコギの弾き語りでボーカルに使った機材、APHEX社の "AURAL EXCITER TYPE C"を紹介します。1989年頃に買ったもので、10数年ぶりに押し入れから引っ張り出してきました。
これはボーカル用のエフェクターなのですが、効果は声を艶やかにすると言うものです(説明書にはハーモニクスを付加すると書いてあります)。
この機材は80年代に一斉風靡しました。普通の声が美声に変えられるということで、当時の歌手、特にアイドル歌手とかには必ず使われていました。実際に、普段の話し声とCD(当時はレコードですが)の声が全然違うのは、この機材の効果と言われてました。
で、どんな魔法かと言うと種明かしは簡単、高音を抜き出して歪ませて元の音に混ぜているだけです。
つまみは3つで、「DRIVE」で歪みの度合い、「TONE」で抜き出す音域、「MIX」で原音と歪みの割合を調整します。まさにディストーションです。原音と混ぜるのでギター用よりベース用のエフェクターのディストーションに近いですね。ちなみに2チャンネル仕様なのでステレオの音源にも使えます。
で、その歪みはダイオードを歪ませたファズのようにとてもチープな音。なのに、原音の声と混ぜると、本当に艶やかに聴こえます。不思議です。
この機材、当時、自分の歌を録るのに買ったのですが、声質が改善しても音程など歌が上手くなるわけではなく、結局ダメでした。ただし、ギターなどの楽器にも同様の効果があり、先日、紹介したROCKMANとの組み合わせでよく使いました。
この機材は、BBEのエンハンサーと共にアナログ時代ならではの機材ですね。アナログは音圧を出すのは簡単なのですが、録音やミックスの過程でどんどん音が劣化してこもってしまいます。高域、特に超高域を付加するこのような機材は、ミックスダウンには必ず必要でした。逆に現在のデジタル環境ではありがたさが少なくなりました。
で、効果が分かるように原音との比較をしようと思ったのですが、自分の声の原音はかなり酷い、、、のでやめました。スイマセン。
ちなみに、10数年ぶりに電源を入れたら煙が出ました。すぐに収まったのですが、、、寿命かも?
これまたお宝アナログ機材ですねえ(笑)。
コレ、初めて見ました。89年って、ギターからもバンドからも遠ざかっていた頃なので、ok-rockさんのお宝紹介は、とっても興味深いです。
なるほど、高音を抜いて歪ませて混ぜると、つややかな声になるのですね。
これ、DAW上で同じことできますね。今度、機会があったらやってみようかな・・・。
by Joe (2014-05-31 12:42)
>Joeさん
お宝機材です(笑)
大抵、使わなくなった機材は処分してしまうのですが、これはできませんでした。とってもアナログな音に愛着があります。
でも、確かにEQとファズのプラグインエフェクターで同じものが出来るかもしれませんね。自分も試してみます。
by ok-rock (2014-05-31 21:26)
ok-rockさん、おはようございます。
高音部に歪をかけるのは自分でもプラグインでやっていました。
何となく試行錯誤をしているうちにそうなったのですが、元々そういう効果があったのですね。
勉強になります^^
煙は、トランスは見当たらないので、電解コンデンサでしょうか?
写真だと右上のセラミックコンデンサ2つが焦げているようにも見えますね。
by KOVCH (2014-06-01 08:26)
>KOVCHさん
コメントありがとうございます。
プラグインでやってましたか。良い音はやっぱり微妙な歪みが肝なんでょうね。
コンデンサーの件、ご指摘ありがとうございます。これなら交換出来そうですね。本格的に燃える(笑)前にやってみます。
by ok-rock (2014-06-01 18:01)
エキサイターですか!
これ、ボーカル・ソロギターに掛けると音量上げなくても目立つんですよね。
倍音が歪んでるとは知りませんでした。
と言うかエキサイターって、使う音域選ぶの難しくないですか?
その点、エンハンサーは楽ですよ。
電源入れて煙…(^^ゞ
C302・304 が原因かも知れませんね。
私の10年戦士も煙がでるかもしれません…(T_T)
by rimix (2014-06-02 19:00)
>rimixさん
ボーカルへの効果は絶大です。誰でも美声になります。音域はパラEQと同じ使い方なので、難しくはないですよ。
rimixさんも火事には気を付けてください(笑)
by ok-rock (2014-06-03 19:18)