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宅録史4:アイドルをさがせ [連載読み物]

自宅録音の黎明期を語る自分史の続きです。

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ドラム・マシンと4トラックのMTRを手に入れて4つの音を自由に重ねられる事が出来るようになりましたが、これが逆に作曲の足かせになりました。まだ、ベースのフレーズも分からないし、それどころかギターの伴奏もバリエーションが少ない。個々の楽器の演奏をどういう風に組み合わせたら良いかが全然分かりませんでした。つまり、「アレンジ(編曲)」と言うものが勉強不足でした。

また、当時、好きだったハードロックはギターが難しく、当時の腕では、速弾きのアドリブや、正確でタイトなバッキングなんか夢のまた夢。録音するのは当分無理でした。そこで、路線変更をすることを決心しました。それは「歌物を作る」ことです。しかも、「歌謡曲」です。まず、当時、ちょっと憧れていたアイドルの作った詩(歌の詞ではない)にメロディーをつけて曲にすることにしました。これは成功でした。なぜならば、コード進行やリズムのアレンジなど、分からないことがあっても、「歌謡曲」ならちまたに腐るほどお手本があります。TVでもラジオでも、とにかく作ろうとしている曲と似たような曲を聴きまくりました。

録音は、前回説明した4トラックの編成でやりました。ただし、歌を歌ってくれる「アイドル」は身近にいなかったので、ギターでとりあえずメロディーを入れて、その内、ヴォーカルを探してから仕上げることにしました(今だにその目的は達成してません)。当時の作品はこちらです。

宅録史_04

2曲目以降は、詞も自分で書いて、合計6曲作りました。これらは「歌謡曲」ですが、作曲能力を格段に進歩させる要因となりました。なぜならば、「歌謡曲」と言うのは、作曲の技法としては使い古されたものの寄せ集めです。一般大衆は保守的で新しい音楽は受け入れないからです。それは「歌謡曲」が「J-POP」と名前を変えても変わってません。なので、コード進行は定番中の定番である物が連発されます。いままで、コード進行など理解せず、行き当たりばったりで作ってましたが、ここで「コード進行の法則」を発見することになります。しかも、整理すると法則は3つしかないことに気が付きました。などなど、何年も後になってから振り返ると、本格的に作曲・アレンジを習得するきっかけとなったことに気が付きました。

 今回の一言:大衆音楽にこそ真理が含まれる

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