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宅録史11:電子化を始動しろ [連載読み物]

自宅録音の黎明期を語る自分史の続きです。

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オリジナルアルバム制作のための寝る時間も惜しんだハードな1年が終わりました。前後してバンド活動もやめて、今までの音楽活動に区切をつけました。そして、次にやる事は何年も前から決まっていました。それは、パソコン(マッキントッシュ=マック)を買うことでした。

8トラックMTRでの録音の技術が上がるにつれて、今度はシーケンサーの機能が追いつかなくなりました。MIDIの演奏も機械的で単調なものから、より人間的なもの、複雑なものを求めたくなりました。打ち込みでそれをやるためには緻密なデーターの修正が必要で、そのためには大きな画面で操作でき、データーの詳細を確認出来るパソコンは魅力的でした。そして何より、増加した機材のデーター管理や演奏時のコントロールなどの打ち込みのデーターが膨大になり単体シーケンサー(MC-300)では、2、3年前から限界が来ていました。

いつもの事ですが、当時、パソコンで音楽をやっている人は周囲にいませんでした。雑誌などの少ない情報を元に作曲に使える高機能の音楽用のシーケンス・ソフトは、マックにしかないことが分かりました。その中から「Vision」と言うソフトに目をつけました。画面がグラフィカルで、一番、分かりやすそうだったのが理由です。それを元にシステムを揃えることにしました。

当時、マックは50~100万もして高値の華でしたが、低性能の廉価版が出始めたので思い切って買うことにしました。しかし、安くなったと言っても高い買い物でした。マックがモニターとセットで30万、「Vision」が9万、MIDIインターフェースが7万。その後も、メモリーなど数万も追加投資が必要でした。

宅録史_11

それだけの投資をして夢のマックを手に入れたものの、あくまでも出来ることはMIDIの打ち込みだけです。現在のようにパソコンで音声を扱う機能が生まれるのは、まだ時代は後になります。しかも、その打ち込みも廉価版のマックでは性能不足で、かろうじて動作するレベルでした。今と違って(今もそうですが)、決して音楽用に作られていないパソコンを飼い慣らすのは至難の技でした。ハードに使いこなそうとすればするほど、固まってしまう画面に向かって苦難の歴史がまた始まりました。

 今回の機材:Apple Macintosh LCⅢ、Opcode Studio 4、Opcode Vision 1.4J

 今回の教訓:勉強する人のみにコンピューターに夢はある

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